冬の申し子!トキ鉄のお助け投排雪車「ラトキ」「ロトキ」デモに密着

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トキ鉄の投排雪車に密着!

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新潟県上越市に本社を置く、えちごトキめき鉄道(トキ鉄)。地名でもピンと来る人も多いと思いますが、上越市は新潟県の西部に位置し、中越地方と並んで豪雪地帯として有名な地域です。トキ鉄には、山路線の妙高はねうまラインと海路線の日本海ひすいラインの2路線があります。2023年12月中旬、レイルラボ編集部はトキ鉄にお邪魔して、投排雪車保守用車を管理する設備センターを訪問。これから本格的な降雪シーズンに突入する現地で運行を支える担当者にインタビューし、投排雪車のデモンストレーションを撮影させていただきました。

投排雪車とは?

ニュース画像 1枚目:「ETR-R-02」
「ETR-R-02」

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そもそも、投排雪車とはどういう役割をする車両なのでしょうか?積雪の多い地域以外ではなかなか目にしない投排雪車は、読んで字の如く、雪を投げて排除する機能を有しています。これ1台でロータリーモード(投雪)により雪を飛ばし、ラッセルモード(排雪)で雪をかき分けることができます。トキ鉄の車両は新潟トランシス製の「ETR-R-01」「ETR-R-02」の2両体制。ラッセル・ロータリーと、トキ鉄の「トキ」を冠して通称「ラトキ」「ロトキ」と呼ばれています。JR東日本で活躍する「ENR-1000」が元になっているそうです。

実際に現場へ

今回お邪魔したのは、直江津駅に程近い設備センター。すでに試運転が完了し、準備万端の投排雪車のデモンストレーションを特別に公開していただきました。当日は雪ではなく雨でしたが、投排雪車の車庫に隣接する駅構内の線路では、スプリンクラーの動作確認も行われ、降雪への備えがされていました。作業は、投排雪車内にいる2名の係員と外で確認する係員とで無線を交わしながら行われます。お互いの準備が整ったところでいよいよエンジンを始動、ますはロータリーモードに。続いてラッセルモードへ切り替え左右の動きを念入りに確認していきます。普段、なかなか立ち入れない線路横での見学で、ものすごい迫力とパワーを実感しました。

ニュース画像 2枚目:エンジン始動!
エンジン始動!

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ニュース画像 3枚目:「ラトキ」「ロトキ」のデモンストレーション
「ラトキ」「ロトキ」のデモンストレーション

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実際に作業を行う担当者へインタビュー

ニュース画像 4枚目:「ラトキ」「ロトキ」のデモンストレーション 2
「ラトキ」「ロトキ」のデモンストレーション 2

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今回話を伺ったのは、実際に第一線で作業を担う施設課の佐藤さん。投排雪車を操作するには、数日間の研修を受け、社内試験に合格する必要があるとのこと。通常の電車と異なり、前面が見えにくい形状のため、操作が難しいと言います。実際に猛吹雪などの場合、ほとんど前が見えない中での作業となるので、外の係員との密な連絡と連携はとても重要です。

ニュース画像 5枚目:車内と社外で綿密に連携を取りながら作業を進めます
車内と社外で綿密に連携を取りながら作業を進めます

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作業については、降雪が約20cmの予想が出た際に出動します。通常、列車の運行のない夜間に行われますが、大雪の場合には、営業列車が運休している間にも作業を実施するとのことです。山路線の妙高はねうまラインと海路線の日本海ひすいラインでの違いを伺うと、意外にもひすいラインも降雪が多いと言います。通常、海岸は強風によって雪が積もりにくい印象ですが、上越〜糸魚川にかけては北側の日本海から南側にある高い山に挟まれているため、降雪が多いとのことでした。投排雪車の出場頻度は年によってまちまちですが、なるべくなら回数は少なく、大雪にならないことを願うばかりです。

このように、陰から豪雪地帯の路線を支える努力があってのトキ鉄。これから冬本番を迎え、列車の運行が難しい日もあるとおもいますが、ふと、安全運行を支える人たちがいることを思い出してもらえたら、きっと力になるかもしれません。

ニュース画像 6枚目:これからが雪本番。トキ鉄の路線を守ります!
これからが雪本番。トキ鉄の路線を守ります!

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