東芝のグループ会社の東芝インフラシステムは、2018年10月11日(木)、東京メトロが2019年2月から運行開始予定の丸ノ内線の新型車両2000系に、新たに開発したAll-SiC(炭化ケイ素)素子適用のVVVFインバータ装置、全閉式永久磁石同期電動機(全閉PMSM)、リチウムイオン二次電池「SCiB」を適用した非常走行用電源装置を組み合わせた駆動システム等を納入したと発表しました。
同社では、これら組み合わせた駆動システムは、世界で初めての導入事例としています。現行の丸の内線用車両の02系と比較して約20パーセントの消費電力量削減が見込まれています。
全閉PMSMを駆動するVVVFインバータ装置は、東芝デバイス&ストレージが開発・製造したAll-SiC素子を採用しており、高温での動作が可能、スイッチングする際の損失が少なく発熱が小さい、モータ電流をより多く流せるなどの特長があるとしています。これらの特長を活かしてインバータユニットの小型化を実現しています。
この小型化に加え、同時に制御ユニット、接触器の小型化を行い、VVVFインバータ装置のサイズを従来と比較して38パーセント削減しました。これにより、車両床下の厳しい寸法制約の中で「SCiB」を適用した非常走行用電源装置を搭載するスペースを確保できたとしています。
また、全閉PMSMは、全閉構造を採用できたことから、内部清掃が不要のためメンテナンス性も向上しています。
非常走行用電源装置は非常走行機能に加え、今後、回生吸収機能、力行アシスト機能を評価する予定で、更なる省エネの実現を目指しています。
詳しくは、東芝のウェブサイトを参照ください。