蒸気で動いた客車、気動車の始祖「ホジ6014号」が重要文化財に指定へ

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ホジ6014号

©東海旅客鉄道

文化庁は2019年3月18日(月)、文化審議会の答申を公表しました。3件の美術工芸品を国宝、41件の美術工芸品を重要文化財に指定、2件の美術工芸品を登録有形文化財へ登録するよう文部科学大臣に答申しています。このうち、リニア・鉄道館で展示している蒸気動車のホジ6005形「ホジ6014号」が、重要文化財として指定される見込みです。JR東海が所有する車両としては初めての指定となります。

蒸気動車とは、客車の片隅に小型蒸気機関車と同様、ボイラーなどの走行に必要な機能を備え、単車運転を可能にした車両です。明治30年代後半から昭和初期にかけ、都市近郊や地方の非電化・閑散線区で、高頻度・短距離輸送を行いました。当時は「自働車」、のちに「汽動車」とも呼ばれています。

「ホジ6014号」の車体は、1913(大正2)年3月15日に汽車製造で製造された工藤式蒸気動車です。1つ扉、ロングシートで、両端に運転室を持っています。機関走行部は容易に取り外すことも可能です。この車輌は、神戸鉄道管理局、九州鉄道管理局に所属し、1943(昭和18年)まで運用され、1944年に名古屋鉄道へ譲渡された後は運用されることなく、博物館明治村での展示などを経てリニア・鉄道館の開館時から展示されています。

新製当時の姿をほぼ残しており、1962年には鉄道記念物にも指定されています。気動車の始祖と呼ばれており、製造から105年が経過しています。

文化審議会は、現存唯一の蒸気動車であり、蒸気機関、動力伝達機構、台車、台枠、車体などの保存状態が特に優れ、鉄道史、科学技術史上等の研究上の価値が高いと評価しています。

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