今から14年前の2007年7月31日、JR東日本キハE200形気動車がデビューしました。キハE200形は世界で初めて営業運転したシリーズ式ハイブリッド車両です。東急車輛で3両のみが製造されたキハE200形は、標高1,375mのJR鉄道最高地点を通る長野県の小海線(小淵沢~小諸間:八ヶ岳高原線)で現在も運行しています。
シリーズハイブリッドとは、発電専用エンジンまたは蓄電池からの電力によって、モーターを動作、走行する方式です。ブレーキ時に発生した電気エネルギーを蓄電池に蓄え、加速時に使用。この方式で効率的な走行ができ、駅停車時はアイドリングストップによりエンジン騒音を抑制できます。
キハE200形は、小海線を走行する従来型の車両に比べ燃料消費量で10%、有害物質排出量で60%の削減を実現し、騒音も低減できる「環境にやさしい車両」です。2008年には、鉄道友の会のローレル賞を受賞。その受賞理由は、「環境世紀にふさわしい最新技術を用いたハイブリッド気動車の実現」という特徴が評価されました。
東急車輛が、「キハE200-1」、 「キハE200-2」、「キハE200-3」の3両を製造、ハイブリッド駆動システムは日立製作所が担当しました。所属は小海線営業所(長コミ)で、デビューから約2年間、営業運転で各種データの確認・収集を実施していました。JR東日本はその後、キハE200形気動車と同方式の観光用HB-E300系気動車を2010年に、仙台エリアへHB-E210系気動車を2015年に相次いで投入。これら次世代車両の導入で、キハE200形の量産車は製造されることなく、今も風光明媚な高原を環境に優しい車両で走り続けています。
※配信後に記事の一部を訂正いたしました。お読みいただいた皆様にはご迷惑をおかけいたしました。:8/1追記