日本国内のJR、私鉄、地下鉄、モノレールなどを合わせた鉄道路線総延長距離は、約27,400キロにも及び、この路線上には9,500を超える駅が存在します。北は北海道から南は沖縄まで南北に長い日本中にある鉄道路線の中で、日本最〇〇端の駅がどこにあるのか、みなさんご存知でしょうか?今回は日本の東西南北の「最果ての駅」にスポットをあててご紹介したいと思います。
■日本最北端の駅 JR北海道・宗谷本線「稚内駅」
北海道稚内市中央にある駅「稚内」は1922年(大正11年)、当時の駅名「南稚内」として開業しました。現在の駅舎は2012年に新設、道の駅・バスターミナル・売店や地域の施設などが入る複合型の施設として多くの方が利用しています。最北端がイメージさせる静かな印象ではなく、観光客はもちろん、地域住民も行き交う「交流の場」となっています。
■日本最東端の駅 JR北海道・根室本線「東根室駅」
最北端と同じく、北海道にある「東根室」は1961年(昭和36年)に開業しました。根室半島のほぼ中央、根室市光洋町に所在する無人駅で、周辺には住宅地が広がっています。駅舎はなく、1面1線のホームの簡素な作りは、最果ての地を感じることができるかもしれません。
■日本最西端の駅(モノレール)・沖縄都市モノレール線「那覇空港駅」
沖縄県にある”ゆいれーる”の駅「那覇空港」は那覇市字鏡水にあります。2003年(平成15年)に開業し、翌2004年に駅改札口に、車両と地元「鏡水」の特産品”鏡水大根”をあしらった日本最西端駅記念碑が設置されました。最西端の駅であるものの、沖縄の玄関口・那覇空港に直結しているため、設備も整い、行き交う利用者も多い活気のある駅です。
■日本最西端の駅(普通鉄道)・松浦鉄道西九州線「たびら平戸口駅」
長崎県平戸市田平町に所在する松浦鉄道(MR)の駅で普通鉄道としての日本最西端駅となります。1935年(昭和10年に「平戸口」として開業、その後MRの駅となり1989年(平成元年)に「たびら平戸口」と改称しました。なお、モノレールなどを含めると、前述した沖縄都市モノレールの「那覇空港」が最西端です。駅舎内に併設された「鉄道博物館」では、制服・鉄道部品や、移管前のJR松浦線として最後となった先頭車両プレートなど、珍しい資料を展示しています。駅では「日本最西端の駅」訪問証明書の販売も実施、また駅前では電動自転車も貸し出されており、平戸大橋や平戸瀬戸市場など観光を楽しむことができます。
■日本最南端の駅(モノレール)・沖縄都市モノレール線「赤嶺駅」
沖縄県那覇市赤嶺にある日本最南端のモノレールの駅「赤嶺」は2003年(平成15年)に開業しました。日本最西端モノレール駅として登場した「那覇空港」との距離はなんとたった約2キロ!隣り合わせで最果て駅に行くことができます。駅の両側には自衛隊の基地が大きく広がり、モノレールから開放的な景色を楽しめます。駅前は交通広場が整備され、路線バスやタクシーなどの移動手段もスムーズです。この交通広場の一角に、日本最南端の駅碑が設置されています。
■日本最南端の駅(普通鉄道)・JR九州指宿枕崎線「西大山駅」
鹿児島県指宿市に所在する普通鉄道の日本最南端駅「西大山」は1960年に開業しました。なお、モノレールなどを含めると、前述した沖縄都市モノレールの「赤嶺」が最南端です。そのため、駅に設置された日本最南端碑は「JR日本最南端の駅」と表記されています。駅からは田園風景の向こうに、美しくそびえ立つ別名「薩摩富士」とも呼ばれる「開門岳」を望むことができます。ここから撮影した「最南端碑」「列車」「開門岳」の3つを構図は、写真やポスター、書籍などでたびたび見かけるほどの絶景ポイントとしても有名です。また、駅前に設置されたポストは、指宿を代表する花・菜の花をイメージした黄色で、「幸せを運ぶポスト」としても人気です。駅に隣接する「中園久太郎商店」の直売所では、観光案内のほか、無人駅の「西大山」に代わって「JR日本最南端の駅到着証明」も発行しています。専用絵はがきの販売も行っているので、大切な方へ黄色いポストから投函したら幸せのお届けもできるかも?!
ということで、日本最北端と日本最東端が北海道、日本最西端と日本最南端は沖縄県とそれぞれ2箇所づつ存在しています。旅行などで訪れる際には、「1旅行2最果て」を目標に、日本最果てコンプリートを目指す旅という楽しみも増えるかもしれませんね!