車両の老朽化により、2019年から運行を休止している恩賜上野動物園のモノレール「上野懸垂線」。整備・運営する東京都建設局は2022年2月17日、モノレールの代替となる新たな乗り物について、アイデアや民間の事業参入等の調査・検討を進めていくと発表しました。
上野動物園モノレールは1957年(昭和32年)、東京都交通局により東西両園を結ぶ全長330mの懸垂式モノレールとして開通しました。2001年から2019年まで、都営40形電車が運行していましたが、車両の経年劣化が進んでいることから、運行を休止、40形は廃車となりました。
東京都は運行休止以降、車両更新の検討を行いましたが、部品が製造されていない等の理由から困難であると判断。既存のモノレールに替わる方策について、民間事業者の参入意欲や事業イメージなどのヒアリング、事業効果や実現可能性の高い事業実施につなげることを目的に、マーケットサウンディング調査を実施します。
調査では参入に関心のある事業者に、上野動物園の名物として60年以上親しまれ続けてきたモノレールの歴史を継承しつつ、園全体の魅力を向上させる、幅広い事業提案を募集します。新たな乗り物について、都は、小型モノレールを想定していますが、それ以外も可能とし、来園者の利便性向上のため、既存モノレールと同等以上の輸送能力を備えたものを求めています。さらに動物園という特性上、工事や運行に当たっては、近接する飼育動物への配慮も必要としています。
今後、2022年内にサウンディング調査結果の概要を公表し、2023年度内に事業者の公募を行うことを想定し進めていく予定です。