日本一低いケーブルカー「青函トンネル竜飛斜坑線」 1988.7.9開業

ニュース画像:「モグラ号」と呼ばれる「セイカン1形」(2011年11月04日乗車 ながとろさん撮影) - 「日本一低いケーブルカー「青函トンネル竜飛斜坑線」 1988.7.9開業」
「モグラ号」と呼ばれる「セイカン1形」(2011年11月04日乗車 ながとろさん撮影)

©ながとろさん

1988年(昭和63年)7月9日、青森県東津軽郡外ヶ浜町に青函トンネル竜飛斜坑線が開業しました。観光施設の財団法人青函トンネル記念館が運営する鋼索鉄道で、館内施設の一部として運行している、ちょっと珍しい「鉄道」です。起点となる青函トンネル記念館駅と、終点の体験坑道駅までを結ぶ路線は、海面下140m地点まで行くことのできるケーブルカーです。

ニュース画像 1枚目:海面下140mはひんやり(2018年05月05日乗車 元喇叭長さん撮影)
海面下140mはひんやり(2018年05月05日乗車 元喇叭長さん撮影)

©元喇叭長さん

そもそもなぜこの路線が存在するの?

竜飛斜坑線は1988年に開通した北海道と本州を鉄道で結ぶ「青函トンネル(津軽海峡線)」の建設ために設置されました。トンネル工事に伴い、作業員や物資・資材の輸送などのため斜坑にケーブルカーを建設し、1988年3月のトンネル完成後に、現在の青函トンネル記念館の観光用の路線として運行しています。

どんな路線?

竜飛斜坑線は全長778mで、地上の「青函トンネル記念館駅」と地下の「体験坑道駅」の2駅のみの単線路線です。運行する車両は「セイカン1形客車」を使用した「モグラ号」と呼ばれるケーブルカー。これに乗り込み斜度14度の急勾配を約7分間地下へ降りれば、海面下140mの竜飛定点(2014年3月廃止の竜飛海底駅)至近に設けられた体験坑道駅まで行くことができます。降り立った先の地下坑道の一角にある特設展示エリアでは、実際に青函トンネル掘削に使われた機械や器機など、当時の現場が再現されています。ちなみに「体験坑道駅」は、海面下も含めた旅客が利用する駅としては日本一低いところに所在する駅です。

ニュース画像 2枚目:起点の青函トンネル記念館駅(2018年05月05日乗車 元喇叭長さん撮影)
起点の青函トンネル記念館駅(2018年05月05日乗車 元喇叭長さん撮影)

©元喇叭長さん

ニュース画像 3枚目:体験坑道エリア
体験坑道エリア

©青函トンネル記念館

観光用だけではない重要な使命も

竜飛斜坑線は現在は観光用のケーブルカーですが、実は青函トンネルの非常脱出のための重要な避難経路としての役割も果たします。2015年4月に青函トンネル内で発生したJR北海道の「特急スーパー白鳥34号」からの発煙事故では、列車から降りた乗客が、線路上を歩いて竜飛定点まで移動し、実際にケーブルカーに乗り込み、地上まで避難をしています。

ニュース画像 4枚目:津軽海峡線(青函トンネル)からケーブルカーまでの避難経路
津軽海峡線(青函トンネル)からケーブルカーまでの避難経路

©JR北海道

ニュース画像 5枚目:扉の向こうは本坑(津軽海峡線)(2016年08月26日乗車 ながとろさん撮影)
扉の向こうは本坑(津軽海峡線)(2016年08月26日乗車 ながとろさん撮影)

©ながとろさん

青函トンネル記念館 概要

青函トンネル記念館は、青函トンネルの計画から完成までを映像や資料などでわかりやすく展示。営業時間は8時40分から17時です。記念館の入館料は、大人400円・小人200円、入館料と体験坑道乗車券の特別セット料金は大人1,500円・小人750円です。

住所:青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜99
アクセス:JR津軽線三厩駅から外ヶ浜町循環バス龍飛行き乗車(所要時間27分)、青函トンネル記念館で下車

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