JR九州は2023年10月26日に、新たな多機能検測車「BIG EYE」の導入について発表しました。新たな検測車は、2020年7月の豪雨災害で被災した車両を使用し、リニューアルしたものです。運用開始に向けた性能評価を行うための走行試験を、2023年11月から2024年3月まで実施する予定です。老朽化した高速軌道検測車「国鉄マヤ34形」を置き替えます。
「BIG EYE」は、“大きな目で設備不具合の予兆を捉える”がコンセプト。車体側面には軌道変位を表現した波形をあしらい、車体前面や背面にはヘッドライトの目玉や牛をモチーフとし、さまざまな人に親しみをもってほしいという想いが込められています。
搭載されるのは、軌道検測装置、部材検査支援カメラ装置、建築限界測定装置。高頻度かつ高精度なデータ測定により、これまでの目視による線路点検や検査業務を抜本的に見直し、より安全で効果的な設備修繕を目指します。また、各装置から取得するビッグデータを活用し、安全性と生産性を両立した持続可能なメンテナンス体制を構築するとしています。
今後実施する走行試験では、検測データの精度の検証、機器の耐久性、データ解析のシステム構築等を行い、実導入は試験結果を踏まえて検討を進める方針です。