「走る博物館」へようこそ!世紀を超えて活躍する広島電鉄の路面電車

ニュース画像:(広電700形 ナカシマさん 2016年06月10日撮影) - 「「走る博物館」へようこそ!世紀を超えて活躍する広島電鉄の路面電車」
(広電700形 ナカシマさん 2016年06月10日撮影)

©ナカシマさん

1942(昭和17)年4月10日、広島電鉄(広電)が設立されました。前身は1910(明治43)年設立の広島電気軌道で、開業から2年後の1912(大正元)年には広島市内で路面電車が走り始めました。広島市内を走る軌道線の市内線や「安芸の宮島」への玄関口となる広電宮島口までの鉄道線の宮島線と、広島の街を広くカバーする広電。路面電車の運行開始から1世紀以上が経った現在、広電には当時の面影を残す懐かしい単車と呼ばれる車両から連接車、そしてバリアフリー対応の超低床車まで、実に走る博物館のようなバラエティに富んだ車両が多く活躍しています。日本国内最大規模の路面電車の運行を担う広島電鉄の古参車から最新車両まで、写真と一緒に紹介します。

【素晴らしい広島電鉄の動く博物館】

■広島電鉄200形電車(2代)

ニュース画像 1枚目:(広電200形 ナカシマさん 2011年12月17日撮影)
(広電200形 ナカシマさん 2011年12月17日撮影)

©ナカシマさん

1989(平成元)年にハノーバー市から広島市へ寄贈された単車両で、通称「ハノーバー電車」と呼ばれています。西ドイツのデュワグ社製で、毎年12月には、クリスマス電車としてイルミネーション装飾を施して運行しています。

■広島電鉄350形電車

ニュース画像 2枚目:(広電350形 ちゃぽんさん 2006年09月24日撮影)
(広電350形 ちゃぽんさん 2006年09月24日撮影)

©ちゃぽんさん

宮島線直通運転に対応するために1958(昭和19)年にナニワ工機で製造された単車両で、団体輸送や宮島初詣輸送などで活躍しました。

■広島電鉄650形電車

ニュース画像 3枚目:(広電650形 Yoshi@LC5820さん 2017年07月02日撮影)
(広電650形 Yoshi@LC5820さん 2017年07月02日撮影)

©Yoshi@LC5820さん

1942(昭和17)年、木南車両車輌製造により製造された「被爆電車」として全国的に有名な単車両です。当初5両が製造されましたが、現在は651号と652号の2両が主に朝のラッシュ時に運行されています。653号は当時の塗装で復刻し、イベント電車として貸切運行を実施しています。

■広島電鉄750形電車

ニュース画像 4枚目:(広電750形 ダイさん 2017年11月12日撮影)
(広電750形 ダイさん 2017年11月12日撮影)

©ダイさん

1950(昭和25)年大阪車輛工業製造の750形、愛称は「赤い電車」を意味する「TRAIN ROUGE(トラン・ルージュ)」です。元は大阪市電の750形を改造した単車両です。車内には、カウンター、ビールサーバー、冷蔵庫、音響・映像機器を設置、夏期は「ビール電車」、冬期は「おでん&日本酒電車」などイベント列車として活躍します。

■広島電鉄1900形電車

ニュース画像 5枚目:(広電1900形 norikadさん 2021年12月19日撮影)
(広電1900形 norikadさん 2021年12月19日撮影)

©norikadさん

1957(昭和32)年、ナニワ工機製造の車両は、京都市電が廃止となった1978(昭和53)年に京都市交通局から導入された連接車です。各車両にはそれまで活躍してきた京都にちなんだ「東山」「舞妓」「かも川」「金閣」などの愛称がつけられています。

■広島電鉄3000形電車

ニュース画像 6枚目:(広電3000形 JR東海211系0番台さん 2017年05月05日撮影)
(広電3000形 JR東海211系0番台さん 2017年05月05日撮影)

©JR東海211系0番台さん

1954(昭和29)年から1964(昭和39)年にかけて汽車製造、日立製作所で製造された車両です。元は西日本鉄道(西鉄)福岡市内線で運行していたものを広電初となる3両連接車として改造しました。

■広島電鉄3950形電車

ニュース画像 7枚目:(広電3950形 REDさん 2017年03月28日撮影)
(広電3950形 REDさん 2017年03月28日撮影)

©REDさん

1997(平成9)年・1998(平成10)年にアルナ工機で製造された連接車です。3100形から3900形までにつけられたひらがな愛称「ぐりーんらいなー」から「Green Liner」へ変わるなど、前面形状、外観塗装、車窓などのデザインを一新しました。

■広島電鉄5000形電車

ニュース画像 8枚目:(広電5000形 りんたろうさん 2014年08月02日撮影)
(広電5000形 りんたろうさん 2014年08月02日撮影)

©りんたろうさん

1999(平成11)年〜2002(平成14)年にかけてドイツ・シーメンス、デュワグとアルナ車両で製造された広電初の超低床車両「GREEN MOVER」です。5001号は1999年3月、ロシアの大型輸送機アントノフで広島空港まで空輸されました。その後覆面ラッピングをして試運転を実施し、6月9日から2号線 広島駅〜広電宮島口間で営業運転を開始しました。

ニュース画像 9枚目:広電5000形を輸送際のアントノフ 広島空港の様子 Boeing 777-300 臨時特急7032Mさん 1999年3月13日 撮影
広電5000形を輸送際のアントノフ 広島空港の様子 Boeing 777-300 臨時特急7032Mさん 1999年3月13日 撮影

©臨時特急7032Mさん

■広島電鉄5200形電車

ニュース画像 10枚目:(広電5200形 バス親父さん 2020年08月02日撮影)
(広電5200形 バス親父さん 2020年08月02日撮影)

©バス親父さん

広電で最も新しい車両5200形電車は2019(平成31)年に、近畿車輛、東洋電機製造、三菱重工エンジニアリングで製造された車両です。Greenmover APEX(グリーンムーバーエイペックス)は、「未来xスピード」を基本コンセプトに、”新しい広島のシンボル”となるスタイリッシュなデザインです。

今回紹介した車両以外にもまだまだ多くの歴史ある車両が現役で運行している広島電鉄の路面電車。つらい戦争を乗り越え、令和の時代も、たくさんの個性あふれる車両が市民の足となって活躍し続けます。

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