鉄道友の会が例年5月に選定する、ブルーリボン賞・ローレル賞。前年に日本国内で営業運転を開始した新造および改造車両から選定しているノミネート車両が2022年4月に発表されました。
ブルーリボン賞・ローレル賞は、鉄道ファンの視点から賞を授与する目的でブルーリボン賞は1958年から、ローレル賞は1961年からスタートしました。ノミネートされる車両は、選考委員会が選んだ候補車両に対し、鉄道友の会の会員が投票、この投票結果に基づき「最優秀」と認めた車両をブルーリボン賞に選定します。また、ローレル賞は会員の投票結果を参考にして、選考委員会が審議し優秀と認めた車両を選定します。
2022年の候補はJR東日本E131系電車0番台・500番台、東武鉄道オハテ12形客車、東京メトロ17000系・18000系電車、京急1000形電車1890番台、京阪電気鉄道3850形電車の5種です。ちなみに2021年は16種がノミネートされていて、今年は例年になく新製車両が少ない印象です。車両の導入計画は数年前から予定されることが多いですが、昨今のコロナ禍の影響も少なくないかもしれません。
では、2022年にノミネートされた5種を紹介します。
■JR東日本E131系電車0番台・500番台
JR東日本E131系は、2021年3月13日のダイヤ改正に合わせて0番台が外房線・内房線・鹿島線で、11月18日から、相模線で運行を開始しました。水玉模様がデザインされた車体正面が特徴的な車両は、側面にカメラを設置するなど、ワンマン運転に対応した機器を搭載しています。また、主回路機器にSiC半導体素子を採用し、車両の消費電力を抑制、環境性能もアップした車両です。2022年3月12日にはJR宇都宮線・日光線用の600番台も導入され、JR東日本の各地で活躍しています。
■東武鉄道オハテ12形客車
東武鉄道オハテ12形客車はSLが活躍していた昭和30年代の客車をイメージして、JR四国から国鉄12系客車を譲受し、中間展望車として改造した車両です。「SL大樹」、「SL大樹 ふたら」編成に組み込まれる車両は、ぶどう色の「オハテ12-1」と青色の「オハテ12-2」の2両です。車両の一部には開放展望型デッキが設けられ、蒸気機関車の蒸気や走行音、汽笛などの臨場感を感じることができます。
■東京メトロ17000系・18000系電車
東京メトロ17000系電車は2021年2月21日に有楽町線・副都心線向けとして、東京メトロ18000系電車は8月7日に東京メトロ半蔵門線で運行を開始しました。両形式ともに車両の床面高さを低くし、車両とホームの段差を低減、全車両にフリースペースの設置するなどバリアフリー対応を徹底。また、車両情報監視・分析システム(TIMA)でのモニタリング機能、脱線検知装置の搭載、防犯カメラ設置など、安心・安全を追求した車両です。
■京浜急行電鉄1000形電車1890番台
京急1000形電車1890番台(新1000形)は2021年5月に20次車としてデビューした車両です。京急初となるロング/クロスシートに転換可能な「デュアルシート」を採用し、通常の運用と貸切運行や観光用など、フレキシブルに対応が可能です。また、2021年12月には応募総数3,000件を超える中から選ばれた愛称「Le Ciel(ル・シエル)」が発表されました。
■京阪電気鉄道3850形電車
京阪3000系電車の座席指定サービスの増強を目指し、特別車両として新造された3850形「プレミアムカー」は、2021年1月に運用を開始しました。塗色は「紺(エレガント・ブルー)」を基調に、特別車両のエントランスとしての存在感をより際立たせる「金」を扉周りに配しています。車内は1x2列の3列座席でゆったりとした空間です。
2022年の会員からの投票は4月18日に締め切られ、来月5月頃に結果が発表されます。果たして、今年選出されるのはどの車両になるでしょうか?