JR九州は、2024年春から久大本線で運行を開始する新たな特急列車(D&S列車)について、名称を特急「かんぱち・いちろく」とすると発表しました。
名称は、明治・大正期に久大本線の敷設・延伸に携わった「麻生観八」と「衞藤一六」に由来するとのことです。
麻生観八は、現在の八鹿酒造の元である「舟来屋」の3代目として、久大線の敷設運動をリードした人物。当時の鉄道院総裁である後藤新平に陳情するなど政府へ働きかけ、多くの反対を乗り越えて久大線の開通を実現しました。
一方、旧大分県農工銀行の頭取である衞藤一六は、湯平を過ぎた地点での線路のカーブ部分に北由布駅と南由布駅を設けることを働きかけた人物。その功績から、当該ルートが「一六線(一六曲がり)」という名で地元に称えられています。
新たなD&S列車「特急かんぱち・いちろく」は、博多駅からゆふ高原線(久大本線)を経由して由布院・別府駅間を約5時間かけて運行する予定です。そのコンセプトは「ゆふ高原線の風土を感じる列車」として、地元の食や風習、風景を五感で楽しむことができる列車となります。
車両のデザインは、鹿児島のデザイン会社「株式会社 IFOO」が手がけます。列車はキハ47、キハ125、キハ47で組成した3両編成で、全席がグリーン席に。また、車内では、ゆふ高原線沿線の食材を中心にした福岡・大分両県の魅力ある弁当が提供される予定です。