JR東海が2011年3月14日に愛知県名古屋市港区金城ふ頭に開館した博物館「リニア・鉄道館」。開館から12年となる2023年2月下旬、レイルラボ編集部は現在も変わらぬ人気を誇る同館を訪問、祝日で多くの家族連れ等で賑わう現地を取材。子どもや鉄道ファンはもちろん、鉄道を知らない人でも絶対に楽しめる「リニア・鉄道館」のおすすめポイントと、最新イベント情報を紹介します!
■まずは、「リニア・鉄道館」について
「リニア・鉄道館」はJR東海が直営で運営する施設です。最寄駅は、名古屋臨海高速鉄道 あおなみ線 金城ふ頭駅。駅から徒歩約2分の場所にあります。同館のコンセプトは、東海道新幹線を中心に、在来線から超電導リニアまでの展示を通じ「高速鉄道技術の進歩」を紹介する施設です。
エントランスに入ると真っ先に、当時世界最高速度を記録した「C62形蒸気機関車 C62 17(SL)」「955形新幹線試験電車 955-6 (300X)」「超電導リニア MLX01(MLX01-1)」の3車両がお出迎え。3月31日までは、「C62 17」に桃鉄仕様のヘッドマークを掲出しています。さらに奥へ進めば、広いフロアに歴代の東海道新幹線の車両から在来線特急、急行、客車など全39車両が展示されています。JR東海といえばやはり「新幹線」!、館内にはなんと全展示車両の3分の1を占める13車両が屋内外あわせて在籍しています。新幹線好きにもたまらないですね。
■子供たちに大人気!体験コーナーも大充実
子供たちに人気の体験コーナーでは、新幹線や在来線の運転や車掌体験ができるシミュレータが充実しています。シミュレータは入館料とは別に利用料が必要です。各種シミュレータの利用券は、先着順で販売。販売数には限りがあるので、販売数に達した場合はいずれも受け付けを終了します。また、混雑が見込まれる時は、開館前に整理券を配布する場合があるとのことです。
新幹線シミュレータ「N700」
新幹線シミュレータ「N700」は、東海道新幹線のN700系新幹線電車の実物大の運転台と、10m x 3mの大型曲面スクリーンによって構成された運転シミュレータです。
CGによってスクリーンに走行風景が映し出され、1人あたり15分というゆったりした持ち時間で、運転操作を体験できます。
・1回(15分)500円
在来線運転シミュレータ「運転・車掌」
運転シミュレータは211系・313系タイプが各4台ずつ設置されています。JR東海の研修施設や在来線の運転士・車掌が所属する運輸区で使用している運転訓練装置がベースになっています。
・運転シミュレータ1回(10分)100円
車掌シミュレータは、在来線の運輸区に設置している313系の車掌訓練装置がベースです。大型モニターに映し出される映像を見て、駅では乗降時の安全確認をした上でのドアの開閉を、走行中は車内放送を行います。こちらは博物館系の施設では初めて導入されたそうです。
・車掌シミュレータ1回(15分)500円
入館したら真っ先に予約へ!小さな子どもも安心のキッズコーナー
「キッズコーナー」は、小学生未満(未就学児)の子どもとパパ・ママのためのプレイルームです。クッションフロアに絵本や滑り台、プラレールを使って自由に遊ぶことができます。年齢を制限しているので小さな子連れ家族にとっては安心できるスポットです。こちらのコーナーは、事前予約制で時間を区切り、人数を制限しての利用となります。保護者の同伴は1人までです。予約受け付け時間は、当日10時から15時までですが、人気のエリアのため、休日などは午前中のうちに受け付けが終了する場合があるのでお早めに。
■圧巻のジオラマも そこかしこにくすぐりポイントが
日本最大級の面積を誇るリニア・鉄道館のジオラマは、日の出からスタートし、始発電車~日中~夜〜深夜まで、列車運行の1日を見ることができます。超電導リニア、700系、N700系新幹線や在来線など、JR東海を代表する歴代の模型車両が走行。また、新橋駅の高架下やSL広場、JR東海本社、京都の大文字焼き、阪神甲子園球場など、沿線の代表的な建物や情景人々の様子等が忠実に再現され、子どもはもちろん、大人まで時間を忘れて楽しめます。
■おすすめは2日前までの事前予約で「駅弁」ゲット!ゆっくり館内を楽しもう
館内2階には、駅弁等を販売する店舗「デリカステーション」があります。リニア・鉄道館限定の駅弁をはじめ、サンドイッチ、東海道新幹線車内で販売するコーヒーや、「#シンカンセンスゴイカタイアイス」で有名なスジャータアイスクリームなども取り扱っています。そして商品は、館内休憩スペースや屋外展示のN700系「X0編成(3両)」車内で食べることも可能。実は一番奥の車両は、グリーン車!気分はまるで、優雅な鉄道旅をしているように食事を楽しめます。
ただし、唯一の食品を販売する店舗なだけに、休日等は混雑必至です。特にお昼時は多くの人で賑わい、会計のために長蛇の列となることもしばしば。また、混雑を避け時間をずらして少し遅く訪れると、お目当てのお弁当が売り切れているなんてことも。楽しみにしている子どもたちのためにも、ぜひお勧めしたいのが、駅弁の事前予約サービスです!受け取り希望日の2日前まで、ウェブサイト「JR東海MARKET」内「東海道新幹線の駅弁予約」から「リニア・鉄道館で受け取れる商品」を選択し購入可能。大人気のドクターイエローデザインの「Dr.Yellow lunch box」も予約OK!確実に食べたい商品を受け取れるので安心です。
■意外と穴場?!2階にあるのんびりスポット&プロジェクションマッピング
「N700S」プロジェクションマッピング
広い館内を一通り見学するとなると、かなり歩くため、少々疲れてしまうことも。そんな時は2階へ上がってみるのがおすすめ。「国鉄バス第1号車」が展示されている側では、東海道新幹線の最新車両「N700S」のプロジェクションマッピングを上映しています。初回は10時10分から5分間、毎時4回実施。ロボットによる車両先端部の研ぎ作業などの様子を立体的な映像で楽しめます。短時間の上映という点も、小さな子ども連れには嬉しいポイントかもしれません。
シンボル展示3両のスピードの歴史を新幹線座席で
また、その横には新幹線の座席がたくさん配置されている場所も。ここからは、シンボル展示を真下に見渡すことができ、3両の後ろのスクリーンに、車両のスピード開発の歴史を紹介する映像が上映されます。座席は普通車・グリーン車の座席が配置され、映画館のようにゆったり座って楽しめます。
■館内企画も充実!最新のガイドツアー・イベント情報
取材当日は、1階 鉄道のしくみコーナーで「切符の歴史を体験しよう」イベントが開催されていました。昔の切符の取扱いやマルスを使用した発券、切符に切り込みを入れる改札鋏など、真剣に学ぶ家族連れの姿が印象的でした。
また、車両のペーパークラフト製作体験を開館中、毎日実施しています。事前に館内1階総合案内でペーパークラフト(各種300円)を購入し、センターデッキ周辺で作成できます。対象は、小学生以下の子どもとその保護者。なお、ペーパークラフトの数量および工作用の席数には限りがあります。
リニア・鉄道館 3月以降のツアー・イベント情報
さらに、リニア・鉄道館を初めて訪れた人や、鉄道にくわしくない人、鉄道の歴史に触れたい人必見のツアーもご紹介!館内の魅力をわかりやすく解説する「見どころガイドツアー」や、重要文化財ホジ6014号蒸気動車・国鉄バス第1号車の見学など、幅広い年代へ向けたさまざまなツアーを開催しています。家族連れで賑わう春休みなど、3月以降のイベントも充実!これから開催予定のイベント詳細は以下です。なお、イベント等は3月現在の情報で変更される場合があります。
■スタッフおすすめガイドツアー
リニア・鉄道館の魅力を知るための入門編としても気軽に参加できるツアー
開催日時:4月1日(土)、15日(土)、22日(土)、29日(土)、5月27日(土)
各日11:00~
所要時間:約30分
参加方法:館内(入場ゲート後方)にて、各回15名程度を先着順で受け付け
■切符の歴史を体験しよう!
開催日時:3月11日(土)、12日(日)、18日(土)、 21日(火)、25日(土)、26日(日)
各日11:00〜、13:30〜
所要時間:約30分
参加方法:小学生以下の子どもとその保護者が対象。総合案内にて各回5組程度を先着順で受け付け
■ドクターイエロー運転台潜入ツアー!これであなたも幸せに?
開催日時:4月1日(土)、2日(日)、8日(土)~29日(土)までの土曜日
各日13:30〜 ※2日(日)、8日(土)は13:30〜と11:00〜も開催
所要時間:約40分
参加方法:小学生以下の子どもとその保護者が対象。総合案内にて各回10組程度を先着順で受け付け
その他:希望者にはリニア・鉄道館のスタッフ が撮影した写真を特製台紙に入れた有料のフォトサービスを実施。フォトサービスの価格:1,200円/枚
■国鉄バスガイドツアー
なぜリニア・鉄道館にバスが展示されているのか?その関係性を紐解きます
開催日時:5月13日(土)、14日(日)、20日(土)、27日(土) 各日13:30〜
所要時間:約30分
参加方法:総合案内にて各回10名程度を先着順で受け付け
■「JR時刻表」の読みかた、楽しみかた〜旅行計画をたてよう!~ ※初開催
開催日時:3月25日(土)、26日(日)
各日11:00〜、14:00〜
所要時間:約40分
開催場所:講座室
参加方法:総合案内にて各回10組程度を先着順で受け付け
開催協力:交通新聞社
■オリジナルバッジをつくろう!
開催日時:4月9日(日)、16日(日)
各日11:00〜、13:30〜
所要時間:約60分
開催場所:講座室
参加方法:総合案内にて各回10組程度を先着順で受け付け
参加料金:300円/組
※バッジは各組2つまで制作可能
■超電導リニアの模型をつくって、うかせよう!
開催日時:4月30日(日)11:00〜、13:30〜
所要時間:約60分
開催場所:講座室
参加方法:総合案内にて各回10組程度を先着順で受け付け
参加料金:1,500円/組
※キットは各組1つ
■小さな世界へようこそ!手のひらジオラマで感じる鉄道の世界 ※初開催
開催日時:5月27日(土)11:00〜、14:00〜
所要時間:約60分
開催場所:講座室
参加方法:総合案内にて各回10組程度を先着順で受け付け
参加料金:1,000円/組
■春休みに、家族で楽しめるリニア・鉄道館へ行こう!
いかがでしたか?これからの春休みに向け、ますます多くの人が訪れる「リニア・鉄道館」。2022年の鉄道開業150年を迎えたことで、より一層、鉄道に興味を持った方も多くいると思います。鉄道マニアと呼ばれる深いファンだけでなく、「新幹線」が大好きな子ども連れまで、幅広く楽しめます。お隣の「レゴランド・ジャパン」とあわせ、愛知県への旅へ出かけてみてはいかがですか?
■リニア・鉄道館 情報
・住所:愛知県名古屋市港区金城ふ頭3-2-2
・アクセス:名古屋駅からあおなみ線 金城ふ頭駅より徒歩2分
・開館時間:10:00~17:30(最終入館は17:00まで)
・定休日:毎週火曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始(12月28日~1月1日)、ゴールデンウイーク、お盆、年末期間等は一部火曜日も開館。天候等の理由により臨時休館する場合あり
・入館料:おとな1,000円、小中高生500円、幼児(3歳以上未就学児)200円
なお、PCやスマートフォン等で購入可能な、日付指定のオンライン入館券も販売。 購入後に発行される入館用QRコードをかざすだけで、入館受け付けや自動券売機に並ばず入館できます。
※記事内容は3月4日時点の情報です。