鉄道総研、実用段階に近い「超電導き電ケーブル」開発 実路線で試験へ

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超電導き電ケーブルの内部構造

©鉄道総合技術研究所

鉄道総合技術研究所は2017年8月4日(金)、都市近郊の実路線での試験を想定した、新しい超電導き電ケーブルシステムを開発したと発表しました。同研究所は、今回開発したシステムによる実路線での送電試験を計画しています。

鉄道総研はこれまで、「超電導ケーブル」を鉄道き電線に適用することを想定した技術開発を行い、鉄道総研内の試験線などで走行試験を実施してきました。「超電導ケーブル」は、超電導材料で構成された線材を使用して電気抵抗をゼロにできるもので、実現には約マイナス196度の液体窒素を冷媒とする冷却システムが必要なため、実路線で運用するためには高性能で安定した冷却機構の開発が課題となっていました。

今回、開発されたシステムは、ケーブル専用に設計、製作したブレイトンサイクル方式の冷凍機を適用し、ケーブルの超電導部分には熱絶縁性能の高い材料を採用しています。これにより、マイナス208度までケーブルを冷却でき、且つ、冷凍機が停止した場合でも2、3日は超電導状態を保持することができる性能を実現しました。

また新ケーブルは、対応可能な電気容量を拡大、10両前後の車両が、変電所間に同時に2、3編成走行する都市近郊路線に対応できるものとなり、今後は、今回開発したシステムによる送電試験が実施される予定です。

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